謄本の取締役の変更には手数料1万円かかる
法人化のデメリットとして、代表取締役社長の自宅住所が、誰でも閲覧可能な法人登記簿謄本に掲載されてしまいます。
詳細は以下の記事をご参照ください。
ちなみに、法人登記簿謄本と登記事項証明書は、基本同じものを指しますが、法人登記簿謄本という言葉のほうが浸透しているので、このページでは「法人登記簿謄本」のほうを使用します。
誰にでも自宅住所がわかってしまうだけで十分なデメリットなのに、法人登記簿謄本にはもう1つデメリットがあります。それは
「取締役に関する事項を変更する場合は、毎回1万円の手数料がかかる」
ことです。
法人登記簿謄本を見ればわかりますが、(代表取締役を含む)取締役に関する事項とは、「氏名」と「自宅住所」の2つだけです。
つまり、取締役の「氏名」または「自宅住所」が変わる度に、法務局に変更手続きをする必要があります。
引っ越すたびに登録免許税の1万円かかる
取締役の「氏名」または「自宅住所」が変わる度に、手数料を払って法人登記簿謄本の事項も更新する必要があるわけです。つまり、
「取締役の人は、(毎回変更の手続きをすることを前提とすれば)、引っ越すたびに1万円の手数料がかかってしまう」
わけです。
ちなみに、この変更手数料のことを正式には
「登録免許税」
と呼ばれています。
しかし、登録免許税という言葉だとしっくりこないので、ここでは変更手数料として紹介しています。
引越し業者に払うお金や、粗大ごみの手数料などであれば、引越にかかるお金としては許容範囲ですが、法人登記簿謄本の変更するだけで1万円も??と思われる方が多いのではないでしょうか。
会社本店の住所を変えるのに手数料を払うのは何となく理解はできますが、取締役の自宅住所が変わっただけで払う1万円はとても高く感じてしまいます。
ちなみに、法務局の窓口で変更手続きをする場合、まずは料金窓口で1万円分の収入印紙を購入し、その収入印紙を法人登記簿謄本の変更届に張り付ける必要があります。
更新しないと法人口座を開設できないケースも
前に某証券会社で法人口座を開設しようとしたところ、1回目の書類審査が通らず、すぐに口座が開設できないことがありました。すぐに開設してもらえなかった理由が、
「代表取締役の身分証明書に載っている住所と、法人登記簿謄本の代表取締役の自宅住所が一致しない」
でした。
そうです。以前引っ越した時、すっかり法人登記簿謄本の自宅住所の更新を忘れていたのです。なのですぐに法務局に行き、法人登記簿謄本の自宅住所を更新してきました(もちろん1万円も払わされました)。
ちなみに、法務局に行って手続きしても、当日その場で新しい住所が記載された法人登記簿謄本は受け取れません。
新しい住所が反映されるまで1週間ほどかかるからです。当日その場で発行してもらっても、古い住所が掲載されたままになります。
余計な書類のやり取りが増えてしまったため、最終的に法人口座が開設されるまで、本来より1カ月ほど長くかかってしまいました。
銀行・携帯会社・証券会社・仮想通貨などなど、法人の口座を開設する予定があり、最近引越しされた場合は、法人登記簿謄本の自宅住所の更新も忘れずにしてください。