親を役員にして役員報酬を払えば節税になる
私の会社では、母・父のそれぞれを役員にしています。理由は単純で、税理士に
「親を役員にすれば節税できますよ」
と提案されたからです。
役員として雇っている親に役員報酬、つまり給与を払うわけですが、その給与も会社から見れば立派な経費になるわけです。
たとえ月に数万円だとしても、年間だと数十万円になり、それだけでも節税効果はあります。
私の場合、両親に合計60万円の役員報酬を払っています。
払う税金の率を25%と低めに見積もっても、毎年最低15万円の節税になるわけです。
これが10年間続けば、少なくとも150万円の節税になります。塵も積もれば山です。
月数万円なら年金暮らしの親にも影響なし
私の親は二人とも定年退職し、現在は年金暮らしなので、給与を払ってしまうと色々デメリットがあるのでは?と心配していました。
例えば、現在は国民健康保険に加入していますが、その保険料が上がってしまうのでは?などの心配があったわけです。しかし、結論から言えば
月2-3万円の給与であれば影響はありません。
なぜなら、給与所得控除というものがあり、年間の給与(役員報酬)が50万円までであれば、実際は0円とみなされるルールがあるからです。
私は税理士ではないので、詳細は
「給与所得控除」
で検索して、税理士によるブログ記事を読まれることをおすすめします。
私の場合、父・母のそれぞれに月25,000円、年間30万円の役員報酬を払っています。年間たったの30万円であれば、国保の保険料などには影響がありません。
少しでも仕事をしてもらう必要はあり
無条件で親に役員報酬(給与)を払うわけにはいきません。最低限の仕事はしてもらうのが役員報酬を払う条件になります。
ただし、月2-3万円だと、簡単なアルバイト的な存在ですから、重要な仕事をしてもらう必要はなく、簡単な雑務などを任せるだけで十分です。
私の場合、父にはオフィス用具を買いに行ってもらったり、仕事で使っている車のガソリン給油や洗車なども頼んでいます。
母には、領収書などの簡単な整理、百貨店に行って大事な取引先様へ渡す菓子類などの買い出しに行ってもらったりしています。
菓子類に至っては、「このお店は老舗だから、ここのお菓子はどのような相手でも失礼にはならない」など、母は私より知識が豊富なので、完全に頼っています。
親の生き甲斐になってくれれば一石二鳥
もともと親が忙しくないことが前提となりますが、親に給料を払って何かすることを与えることは、少なからず生き甲斐になっていると勝手に感じています。
仕事の一部として、父には仕事用の車の洗車を頼んでいますが、洗車から戻ってくる度に、「車ピカピカにしておきましたよ。社長」と冷やかしてきたりします(笑)。
母も、領収書の仕分けを頼んでいますが、「ここに付箋を貼ったほうがいいんじゃない?」など、アイディアを出してくれたりして助かっています。
以前、母と父が領収書の仕分け方法で揉めてたことがあったのですが、ただ単にソファーに座ってテレビを見てる父より、小さなことでも母と何かを一緒にしてくれてる姿を見ていたほうが、子供としても何となく嬉しい気持ちになります。
父にも時々、「まさかお前に雇われることになるとはな」と冗談で言ってきたりしますが、その時の表情が、少し嬉しそうだったのを覚えています。
私の勝手な推測ですが、親を役員にすることにより「節税」+「親にとって多少の生き甲斐になる」の一石二鳥になっていると思っています。
暇で仕方ない親がいる方は、親を役員にされてみるのも面白いかもしれません。子供にちょっと雑務を頼まれる程度なら、基本的にストレスにはならないはずです。
ちなみに、親に生き甲斐を与えるということは、間接的に親孝行になっていると考えるのもありかもしれません。