ルール上では資本金1円でも会社は設立できるが
法人成りすることにしたら、「会社名」「事務所を構えるならどこか」など決めることが数々あるわけですが、その中でも大事なのが「資本金の額」です。
株式会社には資本金が必要になるわけですが、いくらにすべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
一応会社設立のルールとして、「資本金は1円以上である必要あり」とあるので、極端な話、資本金1円でも会社設立自体はできてしまうわけです。
20年以上前は、株式会社を設立するためには、最低1000万円以上の資本金が必要だったことを考えると、今はとても法人化しやすい時代になったと言えます。
銀行口座を開設するには100万円以上が理想
私も会社設立時、資本金をいくらにしようか迷っていたわけですが、1円以上であればいくらでもいいわけですから、何となく40-50万円あたりしようと勝手に決めていました。
ところが、会社設立時に会った税理士には、
「資本金は100万円以上にしてください。そうしないと、法人名義の銀行口座の開設が難しくなります。会社の銀行口座がないと、いろいろ面倒になってしまいます」
と言われました。
個人と違い、法人名義の銀行口座は、すぐ窓口で開設してくれません。開設までに、数日から1週間ほどの審査が必要になります。
ちなみに、私の場合は4日間かかり、窓口で担当した女性係員から「口座開設させていただくことになりました」と直接電話が来ました。
審査内容は、「設立してからの期間」「事業内容」「売上金」「代表取締役は反社っぽくないか?」などあるわけですが、その中に「資本金の額」もあるわけです。
審査の時に法人登記簿謄本も提示するわけですが、その中に「資本金1万円」なんて書かれていたら、これは間違いなくマイナスになります。
銀行側の立場になってみると簡単です。資本金が少なすぎると、
「資本金に1万円しか入れられないような会社が、これからちゃんと事業をしていけるのか?」
「犯罪用のダミー会社を設立しようとしているのではないか?」
のように、ネガティブに審査が進んでしまう可能性があります。
私の会社設立に携わった税理士によると、このようなネガティブな審査を避けるべき金額が「100万円以上」ということです。
つまり、100万円以上の貯金がないのであれば、法人化する前に、少なくとも100万円貯めることが大切です。
資本金は多いほど信用力が上がる
銀行口座の審査に有利になるように「資本金は最低100万円にすべき」なのですが、余裕があるならば、100万円よりは200万円、200万円よりは300万円というように、多いほど会社の信用力がが上がります。
多い資本金が役立つのは、銀行口座の開設時だけではありません。
新しい顧客や取引先を開拓していく場合、ビジネスの交渉などをする場合、相手側は基本的にあなたの会社情報を調べるわけです。
調べる手段として法人登記簿を取得するわけですが、そこで資本金が100万円よりは、800万円のほうが信用されるのは言うまでもありません。
ちなみに、会社設立時に資本金を1000万円以上にしてしまうと、1期目・2期目の消費税が免除される特例の対象外になってしまうので、設立時は1000万円未満にするよう、税理士さんから言われました。
なので、できるだけ資本金を多くしたいという方は、消費税の免除も受けるためにも、800-900万円あたりが理想でしょうか。
資本金は後から増額することも可能です。初めは100万円に設定したとしても、まずは500-600万円くらいを目安に、資本金を増やせるよう、売上げUP、利益UPを目指していきたいところです。